ネット小説の「売れ線」をリサーチするのに、Pythonがいいのか? Go言語が向いているのか?
今日はこのテーマで、ブログ記事っぽく整理してみます。
1. そもそも「売れ線リサーチ」で何をするのか?
まず、具体的にやりたいことを整理しておきます。
ネット小説の売れ線リサーチと言っても、やることはだいたいこんな感じですよね。
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小説投稿サイト(カクヨム、小説家になろう、アルファポリス、ノベルピア、ハーメルンなど)のランキングや新着をチェック
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タイトル・ジャンル・タグ・あらすじ・文字数・連載頻度などのデータ収集
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人気作品の共通点を分析
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よく使われるキーワード
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流行しているサブジャンル(例:追放系、悪役令嬢、ざまぁ、現代ファンタジーなど)
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タイトルの傾向(長い/短い、口語/地の文)
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時系列でのトレンド変化を見る
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「1年前は異世界転生が強かったけど、今は現代ダンジョン系が増えている」など
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可視化して、自分の企画に活かす
この「データ集め」と「分析」「可視化」に強いのはどっちか?
ここが、Python vs Go の一番重要なポイントになります。
2. Pythonの強み:データ分析特化の“研究マシン”
2-1. データ分析ライブラリが圧倒的に充実
Pythonはもともとデータ分析・機械学習の現場でガッツリ使われてきた言語です。
代表的なライブラリだけ挙げても、
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pandas:表形式データの扱い(CSV、Excel、SQLなど)
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NumPy:数値計算
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Matplotlib / Plotly:グラフ描画・可視化
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scikit-learn:機械学習
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BeautifulSoup / Scrapy / Requests:Webスクレイピング
…と、売れ線リサーチにドンピシャな道具がひと通りそろっています。
「ランキングページをスクレイピング → CSV化 → 分析 → グラフ化」まで、
すべてPythonだけで完結しやすいのが大きな魅力です。
2-2. コードが比較的短く、サンプルも山ほどある
Pythonは文法がシンプルで、ネット上に日本語解説も山ほどあります。
「カクヨム ランキング スクレイピング Python」みたいな検索で、
似たようなコードがすぐ見つかりやすいです。
「とりあえず動くものを作って、あとで改良したい」という
クリエイター的な使い方と相性がいいです。
2-3. 機械学習との相性が抜群
将来的に、
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タイトルからジャンルを自動分類してみたい
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流行しそうなキーワードを予測したい
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人気作品/不人気作品の違いをAIで分析したい
といった「一歩先の売れ線リサーチ」をやりたくなる可能性があります。
このとき、Pythonはすでに
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ChatGPT APIを叩くコード
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BERT系モデルや日本語用の事前学習モデル
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テキスト分類・クラスタリング用のライブラリ
などが整っているので、発展性が非常に高いです。
3. Go言語の強み:高速で堅牢な“エンジニア寄りマシン”
ではGoはどうか。
3-1. 高速・省メモリ・並列処理が得意
GoはGoogle発のシステム開発向け言語で、
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コンパイル言語 → 実行が速い
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並列処理(goroutine)が標準機能として強い
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WebサーバーやAPI開発に向いている
という特徴があります。
例えば、
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大量の小説サイトを横断的にクローリングする
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定期的に自動クローラーを走らせてデータをため続ける
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自作の「売れ線ダッシュボード」Webサービスを作りたい
みたいな、「インフラ寄り」「サービス化寄り」の用途ならGoはかなり優秀です。
3-2. ただし、データ分析用ライブラリは少なめ
一方で、「集めたデータをガッツリ分析する」という部分は、
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Pythonほどライブラリが豊富ではない
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Googleスプレッドシートや外部BIツールと連携する設計になりがち
という傾向があります。
「クローラーはGoで書いて、解析はPython or Excelでやる」
みたいに役割分担するケースも多いです。
4. ネット小説の売れ線リサーチにおける結論
4-1. まず一本選ぶなら Python一択
ネット小説の売れ線調査が目的なら、
最初の一本はPythonをおすすめします。
理由をまとめると、
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スクレイピング → 整形 → 分析 → 可視化まで、全部Pythonで完結しやすい
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データ分析のノウハウ・記事・サンプルコードが圧倒的に多い
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機械学習やAI連携に発展させやすい
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文法がシンプルで、「小説家・ブロガー兼なんちゃってエンジニア」に優しい
つまり、
「今の流行を数字で見える化したい」「流行キーワードを抽出したい」
という、“売れ線リサーチそのもの”に一番近いのがPythonです。
4-2. Goが輝くのは「本格的にシステム化したくなったとき」
逆に、Goが本領発揮するのはこんなときです。
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自動クローラーを24時間365日動かしたい
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サーバーに常駐させるバッチプログラムを軽く・速く動かしたい
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自分専用の「小説トレンド監視Webサービス」を立ち上げたい
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他の人に使ってもらう公開APIを作りたい
つまり、
「分析ツール」ではなく「サービス」や「システム」を作る段階
に進んだときに、Goが有力候補になってきます。
5. 具体的な活用イメージ(Python編)
「実際にどんなことができるの?」というイメージを、
Pythonを前提にざっくり書いてみます。
5-1. ランキングデータの自動取得
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Requests+BeautifulSoupで、ランキングページのHTMLを取得
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タイトル、著者名、ジャンル、文字数、ブクマ数などを抜き出す
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pandasでDataFrame(表データ)化して、CSVに保存
これを毎日・毎週実行するようにすれば、
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「この1ヶ月で急に伸びたジャンル」
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「いつの間にか上位に増えているタグ」
などを数字でチェックできます。
5-2. タイトル・あらすじのテキスト分析
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MeCabやJanomeなどの形態素解析ライブラリで日本語を分かち書き
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よく出る名詞・形容詞を集計して、「今の流行語リスト」を作る
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TF-IDFやWordCloudなどで可視化しても面白い
「悪役令嬢」「婚約破棄」「追放」「現代ダンジョン」みたいなキーワードが
どれくらい頻出なのか、感覚ではなく数字で出せます。
5-3. グラフで“自分の感覚”をチェックする
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ジャンル別作品数の推移
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タイトル文字数とブクマ数の相関
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1話あたりの平均文字数と評価の関係
などをグラフにすると、
「なんとなく流行ってそう」→「データで確認済み」
に変わります。
これは企画を立てるときの自信にもつながります。
6. 「PythonとGo、両方やる」のはアリか?
結論から言うと、順番をつけるなら:
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売れ線リサーチ・試作フェーズ:Python
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本格運用・サービス化フェーズ:Go(+必要なら引き続きPython)
という流れが現実的です。
最初から両方を同時に学ぶと負荷が高いので、
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まずはPythonで「数字で売れ線を見る快感」を味わう
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「もっと自動化・高速化・安定稼働させたい」と思ってきたらGoに挑戦
くらいのスタンスがおすすめです。
7. まとめ:小説家・ブロガー目線での最適解
最後に、ネット小説を書いたりブログを書いたりしながら
売れ線リサーチをしたい人向けに、ポイントをまとめます。
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目的が「流行を数字でつかむ」なら → Pythonがベスト
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スクレイピング、分析、グラフ、AI連携までワンストップ
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学習資料が多く、独学しやすい
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目的が「自分専用の分析サービスを本格的に作りたい」なら → Goも検討
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高速・安定・並列処理向き
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クローラーやWeb APIを長期運用したいときに強い
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まずはPythonで「売れ線分析のプロトタイプ」を作り、
物足りなくなったらGoで「システム化」していくのが現実的な戦略

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