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2025年11月27日木曜日

Go言語とPython、どっちが“分析・リサーチ向き”なのか本気で考えてみた



結論から言うと、「分析・リサーチそのもの」には圧倒的にPython有利、
「分析結果を高速でガチ運用したい」ならGoが光る
、という棲み分けになります。

ブログっぽく整理してみますね。


タイトル

Go言語とPython、どっちが“分析・リサーチ向き”なのか本気で考えてみた


1. そもそも「分析・リサーチ向き」ってどういう意味?

ここでいう「分析・リサーチ」は、ざっくりこんな作業をイメージします。

  • WebやSNSからデータを集める(スクレイピング、API取得)

  • ExcelやCSV、ログファイルを読み込んで集計

  • グラフ化・可視化して傾向を見る

  • 統計的に検定したり、機械学習モデルを試してみる

  • 研究・企画のために、仮説を立ててデータで検証してみる

つまり、

「アイデアを思いついたときに、すばやくコードを書いて
データを触って、仮説をサッと検証する」

このスピード感に向いているかどうか、という観点で
GoとPythonを比べていきます。


2. Python:分析・リサーチ界の“標準語”

2-1. ライブラリの厚みが圧倒的

Pythonが分析・リサーチ向きと言われる最大の理由は、
ライブラリとコミュニティの厚さです。

代表的なものだけでも、こんな感じ:

  • 数値計算:NumPy

  • データ分析:pandas

  • 統計解析:statsmodels、SciPy

  • 機械学習:scikit-learn

  • 深層学習:PyTorch、TensorFlow など

  • 可視化:matplotlib、seaborn、plotly

  • ノートブック環境:Jupyter Notebook / JupyterLab

「新しい分析手法を試したいな」と思ったら、
だいたい誰かが先にライブラリを作ってくれていて、
pip install するだけで試せてしまう、という世界観です。

2-2. 試行錯誤の速さ

Pythonはインタプリタ言語なので、

  • ちょっとコードを書いて実行

  • その場で結果を見て、また少し書き換え

  • ノートブックでメモしながら、仮説をバンバン試す

この「ぐりぐり触りながら考える」スタイルにかなり向いています。

研究者・データサイエンティストだけじゃなく、

  • 個人投資家のチャート分析

  • ブロガーのアクセス解析

  • クリエイターのSNSデータ研究

みたいな用途でも、「とりあえずPythonに投げてみるか」が成立するのが強みです。


3. Go:高速&堅牢な“システム構築”言語

3-1. Goの得意分野

Go言語は、Google発のコンパイル言語で、

  • 高速な実行速度

  • シンプルな文法

  • 強力な並行処理(goroutine, channel)

  • 静的型付けでバグを早期に潰せる

といった特徴から、

  • Webサーバー

  • マイクロサービス

  • 高負荷なバックエンドシステム

  • 大量ログのストリーミング処理

などでよく使われています。

3-2. 分析・リサーチにGoは向いてないの?

「向いてない」と言い切るわけではありませんが、

  • データ分析用のライブラリは、Pythonに比べるとかなり少ない

    • 数値計算:gonum など

    • 機械学習:いくつかはあるが、まだニッチ

  • グラフ描画・統計解析・機械学習などを
    一気通貫でこなすには、かなり工夫が必要

……というのが現状です。

ただし、Goが輝く場面もあって、

  • 大量のサイトを高速スクレイピングする

  • 並行処理でAPIからデータをガンガン集める

  • すでに完成した分析ロジックを、
    「24時間365日落ちないサービス」として運用する

こういった“運用・インフラ寄り”の仕事にはものすごく強いです。


4. 観点別に比較してみる

4-1. ライブラリ・ツールの充実度

  • Python

    • 分析・統計・機械学習・可視化・自然言語処理……
      欲しいものはたいてい揃っている。

    • 論文で出た新しい手法も、まずPython実装が出がち。

  • Go

    • 数値計算や機械学習のライブラリはあるものの、
      Pythonほどメジャーではない。

    • 分析よりも、Webサーバー・ツール開発・インフラ構築向き。

👉 「分析・リサーチ」限定で見ると、Python圧勝。


4-2. 試行錯誤のしやすさ

  • Python

    • REPL(対話モード)やJupyter Notebookで
      一行ずつ実行しながら試せる。

    • 「とりあえず書いて動かしてみる」が簡単。

  • Go

    • コンパイル言語なので、基本は

      • コードを書く

      • go run する

    • 最近はPlaygroundやVSCode拡張で試しやすくなったとはいえ、
      Pythonほど“ノート感覚”ではない。

👉 アイデア検証・仮説の試行ではPythonが圧倒的にラク。


4-3. 実行速度・スケーラビリティ

  • Python

    • 単体のスクリプトとしては、Goより遅いことが多い。

    • ただし、NumPyなどは内部がC実装なので、
      数値計算のみならかなり速い。

    • 重い処理はC/C++やRustに逃がす設計もよくある。

  • Go

    • コンパイルされたバイナリが高速に動く。

    • goroutineで数万単位の並行処理を回しやすい。

    • バックエンドとして、大量リクエストを捌くAPIを作るのに◎

👉 「重い分析処理をサービスとして公開したい」ところでGoが生きる。


4-4. デプロイ・運用のしやすさ

  • Python

    • ランタイムやライブラリのバージョン管理がやや面倒。

    • 仮想環境(venv, condaなど)を正しく使わないと依存関係地獄に。

    • ただし、最近はDockerなどで環境ごと固めるのが主流。

  • Go

    • 単一バイナリにコンパイルできるのが超ラク。

    • サーバーにアップロードして叩くだけ、みたいな運用がしやすい。

👉 本格運用フェーズでは、Goの気持ちよさが光る。


5. 結論:「分析・リサーチ」はPython、「プロダクト化」はGo

整理すると、

  • データを集める

  • 結果を可視化して考える

  • 統計や機械学習で仮説を検証する

といった “研究・分析そのもの” に向いているのは、

Python

一方で、

  • 膨大なリクエストを捌く分析API

  • 並行処理でログやメトリクスをストリーミング処理するサービス

  • ツールとして配布するコマンドラインアプリ

など、**「分析ロジックを本番運用のシステムに組み込む」**段階では、

Goも非常に強力な選択肢

になります。


6. ベストは“Python+Go”の二刀流

実務でも個人開発でも、かなり王道なのがこのパターンです。

  1. Pythonでリサーチ・分析

    • pandasでデータ加工

    • Jupyterでグラフを描きながら仮説検証

    • scikit-learnなどでモデルを試す

  2. うまくいったロジックだけを

    • Goに書き直して、

    • 高速なWeb APIやバッチ処理として本番運用

こうすると、

  • アイデア段階 → 試行錯誤の速さ重視(Python)

  • 実用段階 → スピード&安定性重視(Go)

という、両方の世界の良いとこ取りができます。


7. これから学ぶなら、どっちを先にやる?

「分析・リサーチ」が主目的なら:

  • まずは Pythonから入る のが圧倒的におすすめです。

    • データ分析、AI、機械学習、Webスクレイピング……
      なんでも揃っているので、学んだ分だけすぐ遊べる・稼げる領域。

「将来的に高速なサーバー・ツールも書きたい」なら:

  • Pythonで分析の基礎を掴んだあと、

  • Goを2言語目として追加する と、かなり強いです。

    • バックエンド

    • 分析バッチ

    • CLIツール
      など、仕事の守備範囲が一気に広がります。


まとめ

  • 分析・リサーチそのものに向いているのは、
    Pythonがほぼ一択レベルで強い

  • Goは
    ➤ 「分析結果を、高速で安定したサービスとして運営したい」
    フェーズで真価を発揮

  • ベストは
    「Pythonで考え、Goで本番運用」 という二刀流

という結論になります。

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