ダイナミクスコアリング(動的推計)とは、政府が税制や財政政策を変更する際に、「その政策が経済全体に与える波及効果(フィードバック効果)」まで計算に入れて、将来の税収や財政への影響を予測する手法です。
一番わかりやすいのは、「減税」をした時の予測の違いです。
従来の方法(スタティックスコアリング:静的推計)
「人や企業の行動は変わらない」と仮定します。
たとえば、1兆円分の減税を実施した場合、単純に「国の税収が1兆円減る」と計算します。
ダイナミクスコアリング(動的推計)
「政策によって人々の行動や経済が変化する」ことを計算に入れます。
1兆円の減税をした場合、「減税で手取りが増えた人が買い物をする → 企業の売上が上がる → 給料が上がり、企業の法人税や従業員の所得税が後から増える」という波及効果を予測します。
結果として、「税収の減り幅は1兆円ではなく、経済成長による税収増でカバーされて7,000億円のマイナスで済む」といった計算になります。
この「静的」と「動的」の予測の違いを、実際に数値を動かして比較できるシミュレーターを用意しました。
なぜ議論の的になるのか?
現実の経済に近い予測ができる一方で、ダイナミクスコアリングの導入には賛否両論があります。
| メリット | 増税による経済の冷え込みや、減税による経済成長など、現実の経済の動きを反映した理にかなった財政予測ができる。 |
| 懸念点 | 「どれくらい経済が成長して税収が戻るか」の予測モデル(前提条件)によって結果が大きく変わる。そのため、政治的に**「減税のコストを小さく見せる」ために都合の良い数字が使われやすい**という批判がある。 |
アメリカの議会予算局(CBO)などでは、大規模な税制改正の際にこのダイナミクスコアリングが一部導入されており、日本でも「骨太の方針」などで財政健全化を議論する際、たびたび話題に上がる経済用語です。

0 件のコメント:
コメントを投稿
こみつです。よろしく!